神様の遣い(1)
神様の遣い(1)
前回は、この女性と私が鑑定を通して関わりあうまでのプロローグを書きました。
https://ameblo.jp/miya-ritumei/entry-12405290018.html
息子さんのご相談で訪れた彼女(仮名 早苗さん)は、息子さんが大学を卒業後に勤務した会社に、どうしても馴染めずに悩んでいました。そのことの話をいろいろ私に話してくれました。
そんな話の中で、早苗さんは自分の苦労話に、どうしても話が進んでしまいます。
私は、早苗さんは明るくてお喋りな女性なのに、余程辛いことを体験しているのだと感じました。
きっと、いろいろ話したいことが溜まっていると感じたのです。
私の興味も息子さんの鑑定よりも早苗さんの話に向いて行ってしまいました。
早苗さんが育った家は、小さな田舎町の路地のようなところに、家が身を寄せ合うようにギュウギュウに建て込んだところでした。
お父さんは荒っぽい性格で、お母さんもそれに負けない強い性格で、さらにそれに輪をかけるように、お姉さんも二人の両親の激しさを足したような性格の女性でした。
早苗さんが物心ついた時には、朝から晩まで家の中は常に騒乱状態という印象だったと語ってくれました。
お父さんは毎日仕事が終わって帰ってくれば、酒を飲んでは酒乱になって乱暴になって、その酒乱にお母さんは徹底的に刃向かい、最後にはいつも卓袱台(ちゃぶだい)がひっくり返り、その上に載っていたご飯やみそ汁、おかずが畳の上にぶち撒けられて、戦場のようになっていたと、早苗さんは笑いながら話してくれます。
私の小さい時も同じような光景を日々見て育ちましたから、その光景はリアルに思い浮かべることが出来ました。
早苗さんのお父さんは毎晩お酒を飲んでは、怒鳴ったり茶碗を投げたりと大騒ぎで、まだ4~5歳の早苗さんは恐ろしくて、ただただ泣いているばかりでした。お姉さんも絶対にお父さんの言うことを聞かないし、お母さんの言うことも聞かない強情な性格だったそうで、時には腹を立てたお父さんが、投げた茶碗がお姉さんの額に当たって血だらけになったとも話してくれました。
そんな家の中では、大暴れの酒乱のお父さんだけど、家の外での評判は良くて、ご近所でも大人しくて優しいお父さんと、「本当に羨ましいねえ」と云われていたそうです。
いわゆる、外面の良いお父さんでしたが、家庭内ではすべて自分中心で、家のことは何一つとしなかったようです。
早苗さんとお姉さんの世話は、お母さんが一人で行っていたそうで、何処かに買い物に行くのにも、お母さんはいつも二人の娘を連れて行っていたそうです。
しかし、お姉さんはお父さんに、そっくりの性格でお母さんの言うことは全く聞かず、買い物中も自分勝手で、勝手に何処かに行ってしまうので、お母さんは早苗さんにお姉さんの見守りを任せていたそうです。
お姉さんはお店で興味のあるものが有れば、すぐに持ってきてしまい、その度に早苗さんはお姉さんを制止するのですが、まったく言うことを聞かないばかりか、早苗さんの頭を拳で殴りつけてきます。
早苗さんは「おねえちゃん、だめだよ、そんな持ってきちゃ」
お母さんに姉さんの見守りを言いつけられているので、早苗さんは必至で泣きながら、姉さんを止めます。
結局は、早苗さんの言うことは聞かずに姉さんは欲しい品物を手に持ってお店を出ていこうとします。早苗さんが泣きながら大声で「おねえちゃん、だめだよ、おねがい」制止します。
その声を聞きつけたお母さんが走ってきて、姉さんを思いっきり殴りつけます。その勢いで床にひっくり返った姉さんは涙ひとつ流さずに、早苗さんを睨みつけながら立ち上がると、今度は早苗さんを思いっきりぶん殴ります。
ぶん殴られた勢いで、今度は早苗が床に吹っ飛ばされ、ひっくり返ってしまいます。
もう早苗さんは起き上がる元気もなく床で泣き続けます。
そんな早苗さんにお母さんは、「早苗! 何でお前は姉さんを観ていられないんだ、まったく役に立たない娘だ!」
お母さんは、姉さんの腕を掴むと、姉さんが持ち出した商品を戻しに売り場に戻ってしまいます。
早苗さんは床に倒れたまま、いつまでも床が涙で滑るほど泣いていました。
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